植毛手術後、髪の毛を移植した場所が赤みを帯びてしまいそれが数ヶ月間続くことがあります。
周りの髪の毛で隠すことができればそれほど気になることはない症状ですが、髪のない無毛部や坊主で手術を受けた際はどうしても気になってしまう問題でもあります。
そんな植毛手術の後に起こる「赤み」についてまとめました。
目次
頭皮の赤みは2種類ある
植毛手術後に頭皮が赤くなる原因については、大きく2つの原因があります。
- かさぶたが赤く見える
- 移植部が赤く見える
1.かさぶたが赤く見える
術後のかさぶたについては「自毛植毛手術後のかさぶたについて」でまとめていますが、植毛手術の工程の中で移植用の穴(ホール)を空けるため、頭皮に小さな傷ができます。そのため、術後は1~3日ほどは移植部・採取部ともに出血が見られます。
出血が止まり、かさぶたができると頭皮が赤く見えますが、1~2週間で自然と落ち始めます。(私の場合は約3週間かかりました)
かさぶたのブツブツ感は1~2週間我慢する必要がありますが、かさぶた自体の色は1週間もすれば落ち着くので取れなくてもほとんど目立たなくなります。
坊主では少し目立ちますが、髪が長ければ十分隠せるレベルだと思います。
⇒ 術後一週間の頭皮
かさぶたの赤みを防ぐには?
かさぶたの赤みについてはかさぶたを作らないのが最も適切な対策だと思われます。
クリニックによる術後の指示、洗髪方法に従うのが一番ですが、「湿潤療法(しつじゅんりょうほう)」により、素早く治癒させる方法もあります。
私が自毛植毛手術を受けたクリニックでもこの「かさぶたをなるべく作らないようにする方法」を推奨していたので基本的にはこの「湿潤療法」の考えに沿った術後ケアなのだと思います。
私が行った術後ケアが正に「消毒しない・乾かさない・水道水でよく洗う」だったのでこれに近い考え方だと思われます。
⇒ 自毛植毛手術術後一週間の洗髪方法と過ごし方
従来の乾燥させ、かさぶたを作り、剥がれるのを待つ外傷治療と違い、痛みを軽く抑え、傷跡が残りにくく、しかも早く治るという人間の自然治癒力を最大限引き出す療法です。また、かさぶたもできにくく、目立ちにくく、かさぶたが取れた後の赤みも早く引きやすいようです。
2.移植部が赤くなる
かさぶたが取れた後でも移植部の赤みは残ります。
この移植部の赤みは移植時に作った穴が点状に赤くなっているためで、植え付けの密度が高くなれば高くなるほど赤みは出やすくなります。手術を行えば頭皮はダメージを受けるため当然赤くなります。
一時的なものではありますがこればかりはどうすることもできず、1~2ヶ月、長くて3ヶ月ほどは薄らとですが、赤みを帯びた状態が続くことになります。(クリニックで見た症例写真も3ヶ月前後は赤みのある人が多かったです)
私の場合は術後2ヶ月半~3ヶ月あたりから頭皮の赤みが気にならなくなりました。
⇒ 術後3ヶ月(92日目):3ヶ月で移植毛の発毛を確認!
赤みが引き、目立たなくなった頃から発毛が始まります。
移植部の赤みを防ぐには?
かさぶたが取れた後の赤みについては何かを行うことで赤みを抑えることはできません。基本的には時間の経過を待つしかありません。
傷痕などの赤みを防ぐ方法としては、飲み薬や塗り薬、貼薬でも対応が可能で、ケロイド外来や傷痕外来のある病院で治療を行うことで軽減させることができますが、それらの方法はケロイドや肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)に対する対策方法のため、ケロイド症状が見られない場合は該当する対策ではありませんのでやはり経過を待つしかないでしょう。
ケロイドや肥厚性瘢痕のように赤み箇所が盛り上がったり、痛みが続いたり、3ヶ月以上経っても赤みが続くようであれば炎症や化膿の可能性もあります。そういった場合は、一度手術を受けたクリニックに相談してみると良いでしょう。
怪我をした後に残りやすいみみず腫れのように赤く腫れあがる症状を言います。
稀に植毛手術でもこのケロイドや肥厚性瘢痕になってしまう方もいますが、これは体質的な要因が関係しているようで、患者の体質により出やすい出にくいがあるようです。
傷口が盛り上がることなく、赤みが残る程度であればケロイドや肥厚性瘢痕ではありません。
冷やすことで赤みは抑えられる?
頭皮を氷袋や氷枕などで冷やせば赤みが抑えられそうと考えがちですが、冷やすことで赤みが引くことはないようです。
冷やすことで痒みや痛みを和らげることはできますが、赤みを抑えることはできません。
防ぐのは難しいので気になるなら隠す
手術後に頭皮が赤くなるのは仕方がないことです。植毛手術を行った誰もが通る道です。しかし、防ぐことは難しいのでどうしても気になる場合は隠すしかありません。
移植部の周りに既存の髪の毛が生えているのであれば、ある程度自然に隠すことはできますが、薄毛が進行していたり、髪の毛の生えていない無毛部であれば、隠すことは難しく、カツラや帽子、増毛剤(ふりかけなど)での対応になります。
帽子は仕事や場所によってはかぶることができないため、一般的にはカツラか増毛剤での対応になります。
どうしても術後の赤みが気になる方は髪の毛が生え揃うまでカツラを被るか増毛剤を上手に使い、薄く黒く自然に馴染ませるようにしましょう。
実際に術後髪の毛が生え揃うまでカツラを利用する人は多く、どうしても気になる場合は術後半年など短期間のカツラ利用を考えてみると良いでしょう。
私は「坊主+増毛剤」での対応になりましたが、坊主に増毛剤はうまく使用しないと逆に不自然さが目立ち結構難しいです。
実際に坊主の私が増毛剤を使った時の写真も載せているので見てみてください。私が持っているのはスプレータイプなので結構調整が難しかったです。
⇒ 術後6週目:頭皮の赤みを抑える方法模索中
PS.
その後色々な増毛剤を使う中で調整のしやすい増毛剤があることもわかったので増毛剤は植毛後の赤み隠しとしても使えると思います。
⇒ ハゲ隠しの定番アイテム「増毛剤」について
ただし、手術直後、特に術後1週間ほどは増毛剤などの利用もできないというよりやらない方がいいので、術後すぐに隠したい場合はカツラの利用しかありません。また、術後直後のカツラについては手術を受けるクリニックに相談しましょう。
手術方法で赤みは変わる?
術後に移植部と採取部はどの手術方法でもかさぶたはできますが、手術方法によって、頭皮の赤みの度合いは多少異なるようです。
植え付け時の傷が小さければ小さいほど当然赤みが出る範囲は小さくなるため、メスなどによるスリットよりもチューブパンチによる穴の方が赤みは目立ちにくくなる傾向はあります。
そのため、主流の手術方法である「FUE」「FUT」「ロボット植毛」で言えば、
赤みが強い|FUT > ロボット植毛 > FUE|赤みが弱い
となるでしょう。
手術前はあまり術後の赤みについて考えることは少ないと思いますが、私は術後1ヶ月経った今、一番気になっているのは頭皮の赤みだったりします。移植毛が抜け始め、頭皮が顔を出し始めるタイミングというのもあるかもしれませんが、なるべく赤みが出にくい手術方法を選ぶのも良いと思います。
ただし、私のように坊主(丸刈り)で植毛手術を受けなければ、赤みは隠しやすいと思いますのであまり気にする必要はないかもしれません。
坊主、または無毛部への植毛を考えている方はなるべく赤みの出にくい手術方法を選ぶと良いでしょう。
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