自毛植毛は健康保険の利かない自由診療であり、かかる費用は基本的に高額で移植する株数(本数)が増えれば増えるだけ高くなり、1000株以上ともなれば100万円を超えることもある高額な薄毛治療法です。
しかし、植毛方法によっては安い方法もあったり、場合によっては安く植毛を受けることだって可能です。
そんな自毛植毛の費用相場、手術以外でかかる費用(維持費やメンテナンス費)ほか、安い植毛方法など植毛費用に関する様々な情報を実体験を踏まえてまとめてみます。

目次
大手クリニックの費用目安(1000株)
まずは一番気になる自毛植毛費用の相場、目安を見ていきましょう。
ここではわかりやすく1000株の自毛を移植する際にかかる費用を紹介します。
アイランドタワークリニック | 120万円 |
ルネッサンスクリニック | 88万円 |
ニドークリニック | 113.6万円 |
ヨコ美クリニック | 60万円 |
紀尾井町クリニック | 55.6万円 |
親和クリニック | 100万円 |
TOMクリニック | 30万円 |
KM新宿クリニック | 120万円 |
アスク井上クリニック | 98万円 |
自毛植毛は自由診療のため、クリニックによって、また植毛方法によって料金設定はまちまちなので一概に「コレ!」と決めることはできず、幅は広いですが目安としてはだいたいこの範囲内の価格で受けれます。
この相場はあくまでも費用の目安を公開している大手クリニックの費用の相場になりますが、一般的にこれくらいの費用がかかります(これに各クリニックの基本料金が上乗せされます)。
後ほど解説していますが、FUT法のように一度にドナーを採取するタイプの植毛方法は移植本数が多ければ多いほど割安になる傾向があります。逆にFUE法のように一本一本を採取するタイプの植毛方法は増えれば増えただけ手間も増えるので量が増えても安くなることはあまりありません。
「自毛植毛の手術方法の選び方」でもお伝えしていますが、費用だけで選ぶことはあまりおすすめしませんが、FUT法は現在もFUE法と並び主流の植毛方法なので少しでも安く植毛手術が受けたい方には良い選択になるかもしれません。
ザックリとですが
FUT | 60~80万円前後 |
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FUE | 100万円前後 |
ロボット植毛 | 60~80万円前後 |
これくらいに考えておくのが妥当だと思います。
後は、簡単に500株なら半額、1500株なら1.5倍を大方の目安として考えておくといいでしょう。
ちなみに私は大手植毛クリニックにて1500株の自毛植毛を受けましたが150万円弱の値段でした。時期的なことや植毛本数など様々な要因によって費用は多少前後するのであくまでも一つの目安にして下さい。それでも公式ページなどに載っている料金よりも安く受けられました。
安ければいいワケではない
植毛費用は選択する手術方法と株数でだいたいの料金が決まりますがクリニックによって同じ手術方法でも独自に改良した方法などを取っており、価格差が大きいことはあります。
単純に安いだけで選ぶのではなく、術後髪の毛が生え揃うまでのことを考えたり、受けたい手術方法やクリニックを選ぶことも料金以上に大切です。
安さだけに囚われてお粗末な内容になってしまっては植毛を受けた意味がなくなってしまいます。一度に大きな金額がかかる治療方法ですが、逆に言えば一度だけで済むものです。あまりケチらずに自分の理想とする手術方法やクリニックで施術を受けるのが一番だと思います。
ローンや分割払いも可能
自毛植毛は仮に1000株で考えた場合でも選択する方法によっては100万円を超えるなど非常に高額な薄毛治療であり、まとまったお金が用意できない方は「受けれるわけがない!」と諦めてしまうかもしれませんが、そこは考え方一つです。
「今」お金がないことに関してはクリニックなどで医療ローンを組むこともできます。なので今すぐ100万円単位のお金を用意できなくても分割払いなどで植毛を受けることは可能です。
また、後述していますが、クリニックのキャンペーンを利用したり、その他費用を安く抑えるコツというのはあるのでそういった方法を可能な限り利用して、少しでも植毛費用を抑えることも考えてみると良いかと思います。
植毛費用の決まり方
上で参考として1000株あたりの費用相場を紹介しましたが、ここではさらに突っ込んで、どうなると料金が高くなるのか?など植毛にかかる費用の決まり方について紹介します。
一番手っ取り早いのはカウンセリングでカウンセラーや医師に目視にて確認してもらい料金を算出してもらうことですが、どのようにして料金が決まるのかを知りたい方は読んでみてください。
植毛費用は「株数+基本料金」が基本
自毛植毛費用の算出は比較的単純で「株数+基本料金」によって決まる場合がほとんどです。
この基本料金は手術費だったり、頭金として支払う場合が多いです。
基本料金がかからないクリニックやキャンペーンなどで基本料金が安くなっていることもあります。ただ、基本料金がかからないクリニックはかからない分だけ1株あたりの値段が高いなど最終的には同じくらいの料金で収まる場合が多いように感じます。
植毛費用の主な部分を占める移植株数(本数)ですが、「株数」なのか「本数」なのか、そもそも株数と本数って何が違うの?という人もいると思いますが、本数は毛髪一本一本のことで、株数は毛髪を含む組織(毛包)単位の数のことです。
一つの毛包(毛穴)から2本生えている場合、株数であれば1つですが、本数で言えば2本です。
現在の植毛方法は毛包単位移植が主流のため、基本的には株数で考えると良いでしょう。
また、日本人は2本毛が多いと言われており、頭髪全体の割合から言えば1株あたり2本と言われています。そのため、簡易的ではありますが、株数×2で大まかな移植本数を計算することができます。
移植株数は場所ではなく範囲と密度によって決まる
移植する株数は単純に移植する場所によって決まるのではなく、範囲、さらには希望する密度によっても変わります。そのため単純に生え際や前頭部に植毛するから少ない、頭頂部に移植するから多いとはなりません。
意外と頭頂部は多いという認識を持っている方は多いと思いますが、前頭部の小範囲の場合でも逆に小範囲だからこそ薄いのが気になるため、高密度の移植を希望し、移植株数が増えるのはよくあることです。
全体(周りの髪の毛)とのバランスが重要なので人によって植え付けの密度は異なります。

手術方法によって計算方法が変わる
自毛植毛手術はドナー採取の方法(植毛方法)によっても費用は変わります。
基本的にメスで切り取るFUT法は手間が少ないため安く、切らないFUE法は手間がかかる分高いです。
FUT法とFUE法のメリット・デメリットについては「植毛方法の種類と違い」で紹介しているのでわからない方は参考にしてください。
FUT法は後頭部の頭皮を短冊状に切り取り、一度に多くの毛包を採取します。後頭部の毛包の密度などから算出し、切り取る範囲を決めますが、正確に何本とすることは難しく、密度の大小によって同じ範囲であっても採取できる株数に個人差があります。
クリニックによっては密度が低い場合に料金を考慮してくれるところもありますが、面積当たり一律をとっているところもあります。その場合、密度の低い方は少し損をしてしまうことになります。
FUE法は毛包を一つ一つくり抜いていくため、決められた株数だけくり抜きます。クリニックによって一本当たりの料金が違い、一本当たりに料金がかかるため、10円の違いでも移植株数が増えれば増えるほど価格差は大きくなります。
FUT法は特に範囲が広くなればなるほど安くなる料金設定をとっているクリニックが多いですが、FUE法でも一部クリニックでは株数が増えれば増えるほど安くなる料金設定のところもあります。
FUE法は採取株数に関係なく一株あたり○○円と一律の料金設定をとっているクリニックが多いです
手術費以外にかかる費用はある?
自毛植毛自体は高額ですが、一度受けてしまえば植毛した個所の髪の毛はその後薄くなることはありません。これは自毛植毛に欠かすことのできない性質「ドナードミナンス」の影響です。
参照:植毛した髪の毛はなぜ抜けないのか?|自毛植毛とは?
しかし、植毛して終わりなのかと言えば私は終わりではないと感じています。
植毛は薄毛の進行した場所や気になる場所を薄毛になる前の状態に戻すある種の再生治療とも言えると私は考えています。植毛した箇所以外については手術後であってもAGAの影響を受け続けるため、何もしなければ薄毛が進行してしまう可能性は残ります。
そのため、自毛植毛のケアにかかる費用やメンテナンス費自体はないのですが、この先の薄毛の進行(既存毛の抜け毛)を防ぐためのコストというのはかかります。というよりかけた方がいいと思います。
参照:自毛植毛に維持費・メンテナンス費はかかる?
最低限の頭皮ケアは続けた方がいい
頭皮ケアにかかる費用については行っている育毛ケア(育毛剤やシャンプーなど)によって変わるので一概にいくらとは言えませんが、今行っている薄毛対策があるなら植毛後もできるだけ継続した方がいいです。
なので植毛費用の維持費・メンテナンス費自体はないですが今の育毛ケアにかかっている費用もプラスして考えるのが妥当かと思います。ただ、効果がなかったことをやめてしまえばその分の育毛ケア費は削減できます。一番空しいのは効果のない方法を続けていることですからね……判断は難しいですが。
ただし、これは繰り返し当サイトでもお伝えしていることですが、植毛を受ける前の薄毛対策と受けた後の薄毛対策はまったくの別物だと思います。植毛によって一旦薄毛の悩みを克服できているので今度はそれを維持する対策になります。
育毛剤などを使ってみればわかりますが、正直あれは気休め程度です(はげる人ははげるので)。一度大幅に悩みを軽減できた状態からの対策は心にも余裕ができるのでおすすめです。
髪が薄くなった後に思う「早く始めてればよかった……」の前に戻れるのが自毛植毛だと思います。
植毛費用を抑えるには?
高額な治療費が必要になる自毛植毛手術ですが、安く受ける方法がないわけではありません。
ここでは割引を受けやすい主な2つの方法を紹介します。

- キャンペーンを利用する
- モニター割引を利用する
キャンペーンを利用する
特に大手クリニックなどでは1年を通して色々なキャンペーンを行っています。キャンペーン内容はその時々によって異なりますが場合によっては通常価格よりも何割か安くなることがあり、魅力です。
キャンペーンは繁忙期に合わせて行われることが多いですが、大手クリニックなどでは1年を通して客を取るためにキャンペーンが行われています。
また、開院間もない新しいクリニックなどは随時キャンペーンを展開していたり、数や期間は短いものの強気なキャンペーンが行われていることもあり、安く受けられる場合もあります。
モニター割引を利用する
いわゆる自毛植毛の症例として手術を受ければ10%~50%、場合によっては100%の医療費をクリニック側が負担してくれることもあります。
モニターは植毛クリニックにとって欠かせない生の体験談になります。その時にどんなモニターさんを募集しているのかでも変わりますが、だいたい相場としては顔出しなしで10%程度~、顔出しありで30~50%程度、顔出しありで広告としても使う条件などになると50%以上の料金を割り引いてくれることもあります。
人に相談しにくく、隠したいと考える人が多い薄毛の悩みだけに見返りも大きいですが、悩みと一緒に顔や名前なども公開される可能性があるのは覚悟しなければなりません。割引率の高さなど非常に魅力的ではありますがよく考えて受ける必要があります。
まとめ
かかる費用は髪の密度や範囲による
自毛植毛自体に維持費・メンテナンス費はかからないけど既存毛のケアは続けた方がいい
費用を安く抑える方法もある
非常に高額な薄毛治療法ではありますが効果は高いので薄毛に本気で悩んでいる人は一度本気で考えてみることをおすすめします。