自毛植毛手術後の副作用と言うか影響の一つに移植毛がカールする現象があります。
これは「ショックロス」のようにあまり警戒されることのない副作用ですが植毛を受けてみて意外と厄介な問題だと感じています。
実際に私自身も体験していることで、元々直毛(ストレート)だった髪が部分的にカールし、くせ毛のような状態になっています。
これでも以下で紹介している「ドライヤー+櫛」を駆使してストレートにしている状態です。
髪の毛が短い分にはそれほど気になりませんが、髪を伸ばすと先端の方で移植した部位(生え際・M字部)を中心に僅かにカールしています。特に前髪の癖が強く、今の長さ(11ヶ月目)だと髪を自然乾燥させるとうねります。
私のように元々ストレートヘアの方や植毛後に密度が少し足りないなと感じる時は薄毛を隠しにくくなる結構厄介な問題なのでくせ毛をストレートに戻す方法を紹介しておきます。
目次
そもそもなぜ植毛後にカールするの?
植毛後に移植した毛髪がカールしてしまう原因についてはまだハッキリとはわかっていないようですが、いくつかの原因・予想は立てられています。代表的なものは以下になります。
毛根のゆがみ
移植時に作成した毛穴が深すぎたり、植え付けた毛髪が斜めになっていれば毛根はゆがみ、生えてくる髪はうねりやすくなります。ゆがみの度合いにより癖の強弱は決まるので腕のある医師や経験豊富なスタッフの下で施術を受けることも重要だということが伺えます。
人の手による施術・手術のため、100%くせ毛にならないということはありませんが、経験豊富なクリニックであれば癖は最小限(1~2%程度)に抑えられるようです。
移植毛がダメージを受けている
移植時に毛根を傷つけてしまっていたり、移植毛がダメージを負っていると血行に影響が出て、髪にしっかりと栄養が行き渡らなくなり、健康な髪を作れずにくせ毛になってしまうこともあるようです。
添加物や汚れによる毛穴の目詰まり
シャンプーやトリートメントに含まれる添加物、皮脂、汚れが毛穴につまると髪にうねりを与える原因になります。
洗浄力の強い石油系や石鹸系のシャンプーは必要な皮脂まで取り除き、皮脂の過剰分泌を促すことになります。無添加のシャンプーなどを使用し、頭皮を清潔に保つことも重要です。
他にも加齢による髪質の変化などもありますが「自毛植毛」に関して言えば、植毛後にくせ毛となるため、上記の理由が考えられます。一般的には最初はくせが出ても「伸びる → カットする」を繰り返していると元の髪質に戻るとクリニックの医師は話されていました。
⇒ ちぢれている毛(カール)はどうなる?|自毛植毛の半年検診に行ってきました

カールしたくせ毛をストレートにするには?
髪型は髪から水分が飛び、乾くときに形が決まる訳なので髪がストレートになるように引っ張って乾かすだけの話です。
方法としては、「ドライヤーと櫛」を使ってストレートにしたり、「ストレート用のヘアアイロン」を使う方法があります。
簡易的な方法「ドライヤー+櫛」
ドライヤーと櫛を使って髪をストレートにします。櫛(ブラシやコーム)を使わずとも手で引っ張るのもOKです。
方法は至ってシンプルです。
- タオルドライで水分を取る
- 温風で根元から乾かす
- 櫛を使って乾かす
- 冷風でキープする
1.タオルドライで水分を取る
強く擦ると髪が痛んだり、抜け毛の原因になるので優しく揉みこむように水気を取るのがコツです。
乾いている髪をストレートにする場合は霧吹きなんかを使って十分に水分を含ませてあげるのが重要です。濡れ具合のイメージとしてはタオルドライ時と同様です。
2.温風で根元から乾かす
放っておくとまたくせ毛になるので水分を与えたら即ブローに入ります。髪が伸びるように手で引っ張りながら乾かすことで癖をある程度とることができます。
濡れた髪に櫛を使うとキューティクルが剥がれ、髪が痛むので櫛はある程度乾かしてから使うようにした方が良いです
乾かし方としては根元から乾かしていき、髪は前だけでなく左右に引っ張ったりしながら乾かすと癖が取りやすくなります。はじめから毛先を乾かすと「オーバードライ」という無駄に乾燥した髪になり、まとまりが悪くなります。加減としては7割くらいの乾燥でOKです。
3.櫛を使って乾かす
手ぐしである程度乾いたら次に櫛を使って髪を伸ばしながら乾かします。これも前だけでなく、左右に伸ばしながら乾かすのがポイントです。ちなみにドライヤーは毛の流れに沿って当てるのがコツです。
櫛はロールブラシが良いようですが、私はプラスチックのブラシを使っています。
4.冷風でキープする
髪は熱い状態から冷めるときに形が決まります。なので温風でブローした後に冷風を当てて形を決めるのがコツです。
癖が強い場合は目の細かいブラシよりも櫛やコームを使った方が良いようです。実際に細かいのと粗いので試していますが粗い方が癖を取りやすいように感じています。
ドライヤーの使い方のポイント
ドライヤーは20cmほど離して使い、同じところに長時間熱を与え続けないようにすることは髪を傷めないために重要です。
また、空気中の水分を髪に与えながらブローできるイオンドライヤーはくせ毛に効果があるとも言われています。ただし、ドライヤー一つでくせ毛が改善されるわけではないのでその点は注意です。普通のドライヤーよりはいい程度の話です。
私は「TESCOM」のマイナスイオンドライヤーを使用しています。
また、余談ですが髪の毛はケラチン(タンパク質の一種)で構成されているため、植物性のタンパク質を意識して摂取することも長い目で見ればくせ毛改善には効果的だと言われています。植物性タンパク質は大豆に多く含まれているので納豆などの大豆製品はおすすめです。
私は基本的にずっとこの方法で癖のついた髪をストレートにしていましたが、どうしても僅かに癖が残るのでヘアアイロンを使ってストレートにすることを試してみました。
ヘアアイロンを使ってストレートにする
ヘアアイロンを使って髪をストレートにします。
今回使うのはこれ「SALONIA」。



アマゾンや楽天の売れ筋ランキングでも1位の人気のヘアアイロンで有名なヴィダルサスーンのヘアアイロンと比べても非常に安価なストレート用ヘアアイロンです。
一応取扱説明書は同梱してあるものの、全然しっかり書かれていないので使い方をまとめておきます。
ヘアアイロンの使い方と注意点
使い方がそのまま注意点にもなっています。
正しい使い方をしないと髪にダメージを与えることに繋がるため注意して使用するようにしましょう。
- 【準備】ヘアケア用品を使用してアイロンのダメージを和らげる
- 【準備】髪を完全に乾かし、毛の流れを整える
- 温度を170℃~180℃に設定
- 毛先に向かって2~3秒程度でサッと流す
- 【ケア】ヘアケア用品を使い保湿
1.【準備】ヘアケア用品を使用してアイロンのダメージを和らげる
必須ではありませんが洗い流さないトリートメントなどヘアケア用品(ヘアオイル・ヘアミルク・ヘアトリートメント)を使うと髪のコーティングになり、アイロンの熱によるダメージを和らげてくれます。
一応ヘアアイロン用のスタイリング剤ということでサロニアと一緒に「ホットグラマー泡ウォーター」という製品を購入しています。

ベタつきもなくアイロンもスムーズに使えて髪の保護にもなるので一緒に買っておくと良いかもしれません。
2.【準備】髪を完全に乾かし、毛の流れを整える
濡れた髪に使うと100℃近い水蒸気が発生するため、頭皮を火傷したり、毛髪内で水蒸気爆発を起こしダメージに繋がります。最悪チリチリのヘアになる場合もあるので注意が必要です。よく乾かし、冷ました状態でヘアアイロンを使用しましょう。
また、櫛(ブラシやコーム)で髪を整えず、くしゃくしゃの髪には当てにくいので事前に毛流れを整えおくことも大切です。
3.温度を170℃~180℃に設定
基本的に170℃に設定します。癖が強い場合は少し高めの180℃に設定します。
4.毛先に向かって2~3秒程度でサッと流す
あまり時間をかけすぎないように根元から毛先に向かって2~3秒程度でサッとヘアアイロンをかけます。
同じ場所に何度も当てると髪を痛める原因になります。低い温度であっても熱が蓄積されるとダメージが進行するので同じ場所には連続で当てないように注意してください。
また、毛の流れに沿って、必ず下に滑らせます。横に引っ張ると変な癖がつき、ストレートになりにくいので注意。
5.【ケア】ヘアケア用品を使い保湿
基本的に準備段階で使うヘアケア用品を使えばいいですが、ヘアオイル・ヘアミルク・ヘアトリートメントなどを付けて、アイロンで飛んだ水分を軽く保湿しておくことも髪を痛めないために重要です。
1と5については必須ではないものの髪のダメージを抑えるために用意しておくと良いでしょう。使うヘアアイロンに説明書がついていればそれに従って使うようにしてください。
また、ヘアアイロンは髪にダメージを与えやすい方法なので使うのは植毛後最低でもしっかりと生着した1ヶ月以降にすると良いでしょう。また、くせ毛が気になり出すのは発毛が始まり、髪がある程度伸び始めた半年前後だと思うのでその頃に試してみるのが良いかと思います。
これが……
こんな具合にストレートにすることは簡単です。


その他くせ毛を隠す対策方法
他に「ストレートに戻す」以外の方法として「くせ毛を隠す」という対策方法も考えられます。
例えば
- あえてパーマをかける
- 再度植毛して髪の密度を上げる
あえてパーマをかける
くせ毛は直毛の中にあるから目立つわけなので全体に癖を与えるパーマなどをかけることで隠してしまうのも一つの対策と言えるでしょう。
再度植毛して髪の密度を上げる
部分的に癖が目立つだけであれば再度植毛をすることで密度を上げ、周りと馴染ませてしまうのも一つです。ただし、新たに移植した髪もカールする可能性はあるのでその際はここで紹介しているように髪をストレートにする施策を取り入れてみると良いでしょう。
くせ毛は植毛失敗なのか?
ちなみに植毛のカール現象は別に自毛植毛の失敗ではなく、植毛した髪の数%(1~2%程度)の髪に起こる現象です。さすがに移植毛全体にカールが出てしまうようでは失敗と判断せざるを得ないかもしれませんが、前髪や生え際、全体の数%のカールは許容範囲と言えるでしょう(元々前髪や生え際は癖が強く出やすいと言われています)。
何にしても植毛専門のクリニックなどで腕のある医師、経験豊富なスタッフのもと施術を受けるのは植毛後のカール(くせ毛)を最小限に抑える意味では重要なことだと言えます。
自毛植毛手術は医師だけでなく、スタッフも含めチームで動くので経験豊富なクリニック、症例数の多いクリニックなど評判の良いクリニックを選ぶと良いでしょう。