植毛ロボット(自毛植毛機)は、ドナーの株分けや植え込みを機械によって行う植毛方法です。ARTAS(アルタス)やオムニグラフトが有名です。

ドナー採取のみをロボットに任せる場合や全行程をロボットに任せるなど植毛ロボットによって様々です。

植毛ロボットの最大の特徴

植毛ロボットの最大の特徴は、人の手の介在を最小限に抑えることにあります。クリニックの設備、医師やスタッフの技量などに関係なく、万人に対して画一的な施術を施すことができます。

手術速度が飛躍的に伸びるとか、ドナーの損傷が少ないとも言われますが、そうではなく、良くも悪くも「一定である」ことが最大の特徴です。

様々な分野で優れた職人技はコンピューターを超えると言われるように、腕のある医師であれば、スピード・質ともに植毛ロボット以上であり、一人一人の頭皮の状態に合わせた調整の利くオーダーメイドの施術が可能になります。

一人として同じ状態のない頭皮ですが、一定の施術を行うことしかできないのが植毛ロボットではありますが、今後も技術は進歩していくと思われますので、今後に期待したい植毛方法の一つです。

代表的な植毛ロボット

  • ARTAS(アルタス)
  • オムニグラフト
  • カルビトロン

移植方法

現在最も主流となっている植毛ロボットARTAS(アルタス)での植毛の流れになります。

ドナー採取 ⇒ 株分け ⇒ スリット作成 ⇒ 移植

テンショナーをセッティングし、頭皮の状態をチェックした上で、デジタルスキャンを行い、ドナー採取プランを作成します。採取プランに沿って、専用のニードルでドナーをパンチングしていきます。くり抜かれたドナーを医師やスタッフの手で採取し、実体顕微鏡(マンティス)の下で株分け・トリミングを行います。医師の手によりスリットを作成し、スリットに合わせたドナーを移植していきます。

事前にプランニングされた目標数に達するまで自動でドナー採取を繰り返します。デジタル処理された上で最適な間隔を算出し、ランダム採取を行うため、術後の頭皮は自然さを保つことができます。

メリット・デメリット

メリット デメリット
画一的な治療が可能
スピード・時間が一定
FUE法と比べ手術費用が安い
誰でもできる手術
個性に合わせた植毛が難しい
刈らない自毛植毛ができない

メリット

  1. 画一的な治療が可能(医師の技量が必要ない)
  2. スピード・時間が一定
  3. FUE法と比べ手術費用が安い

1.画一的な治療が可能

これはメリットにもデメリットにもなる部分ですが、コンピューター制御のもと手術が行われるので、クリニックの設備や医師の腕・経験に関係なく、誰でも画一的な治療を受けることができます。

2.スピード・時間が一定

高い水準での素早い自毛植毛が可能です。

3.FUE法と比べ手術費用が安い

同様のドナー採取方法であるFUE法と比べ、医師の負担が少ないため比較的安価でFUE法を受けることができます。

デメリット

  1. 誰でもできる手術
  2. 個性に合わせた植毛が難しい
  3. 刈らない自毛植毛ができない

1.誰でもできる手術

クリニックや医師の技術に関係なく画一的な手術ができるのはメリットであり、デメリットとも言えます。経験の浅い医師でも手術を行うことができる反面、人の手が介在する部分もあるので注意。

2.個性に合わせた植毛が難しい

一人として頭皮の状態が一緒の方はいません。ロボット制御により採取されるため、医師の目視での判断で採取することができません。

1本1本異なる毛根の向きを無視して機械的に裁断して切り分けるため、ドナー毛根の損傷が多くなりやすいと言います。

3.刈らない自毛植毛ができない

植毛ロボットに近い自毛植毛方法であるFUE法には採取部を刈り込まずに自毛植毛ができる方法がありますが、植毛ロボットにはそれがありません。


ロボットであり、コンピューター制御のもと行われる植毛手術は良くも悪くも一定です。

一定量の技術を要さない医師やスタッフを抱えるクリニックにおける施術ではメリットが大きいですが、熟練した技術を持つ医師やスタッフがいるクリニックにはあまりメリットはありません。患者の個性に合わせて行った施術の成果とはどうしても差が出てしまうのが大きなデメリット。

現に自毛植毛が盛んなアメリカでは綺麗な仕上がりの自毛植毛を実現するには熟練したスタッフの手作業で行う方法が最も評価されています。

一人として同じ頭皮の方がいない状況で画一的な治療が最適なのか?また、医師の手が介在しないことは医師にとっては楽でメリットになりますが、患者には何もメリットがありません。

メリットがデメリットにもデメリットがメリットにもなるとても判断の難しい植毛方法です。

ただ、症例数の少ないクリニックや経験の浅いクリニックなどでは、自毛植毛機はを使用した方が安心で安上がりな場合もあるかもしれません。

植毛ロボットの歴史

始まりは1990年代、パンチグラフトの改良版であるミニグラフト法やマイクログラフト法が開発された頃、この時期に機械式の植毛術の発表がありました。

当時の機種で言えば「カルビトロン」「オムニグラフト」が有名です。

近年ではFDA(米国厚生省に属する米国食品医薬品局)が正式に認可し、商品化されたARTASが有名であり、現在の植毛ロボットの最高峰と言えます。日本ではルネッサンスクリニックが日本で初めて導入し話題になりました。

植毛方法と植毛技術の歴史と変遷