自毛植毛は一般的に手術後移植毛の生着を経て、一度抜け落ちた後に生え始めるという過程があります。そのため、術後1~2ヶ月ほどは一時的に植毛前よりも髪の毛の量が減る期間があります。

自毛植毛手術は具体的にどのような経過を経て、髪の毛が生え揃うのか?一般的な植毛手術後の毛髪量の変化をグラフでまとめました。

必ずしもグラフ通りに経過するとは限りませんが、一般的にはこのような推移で髪の毛の量が変化するのが自毛植毛です。

そのため、術後1~2ヶ月は精神的にも不安が強くなる時期なのであらかじめ自毛植毛のヘアサイクルを理解しておくと安心して術後を過ごすことができるようになると思います。

ヘアサイクルとは?

毛周期(もうしゅうき)とも呼ばれ、頭髪が成長し、抜け落ちるまでの周期のことを言います。正常であれば一定の周期を繰り返し続けます。髪が伸び続ける「成長期」、成長が衰えて停止する「退行期」、髪が抜け落ちて新しい髪を伸ばすための準備期間の「休止期」があります。

健全なヘアサイクル

長くて固い健常な毛髪は以下のサイクルで発毛と脱毛を繰り返します。
発毛・早期成長期・中期成長期・後期成長期・退行期・脱毛・休止期

悪循環が見られるヘアサイクル

細く、短く、色の薄い毛髪が多い場合は以下のサイクルで発毛と脱毛を繰り返します。
発毛・早期成長期・退行期・脱毛・休止期


成長期は早期・中期・後期を合わせて3~7年ほど続き、退行期に入ると髪への栄養の供給が止まり、2~3週間ほどで毛髪は抜け落ちていきます。その後3~4ヶ月を経て再び発毛期に入ればヘアサイクルが健全に巡っています。

(個人差は数万本単位でありますが)日本人の髪の本数は平均で10万本と言われています。この10万本の髪を一定に維持しながら発毛と脱毛を繰り返しているため「髪の毛の本数÷ヘアサイクル」で一日の抜け毛本数の目安を知ることができます。

成長期は3~7年と非常に幅が広いですが、平均で1000日と言われているため「髪の毛の本数÷1000日」でザックリと1日に100本程度が抜けていると言われています。

あくまでも目安であり、平均なので個人差があります。何にしても成長期の髪が全体の90%で残りの10%が休止期と言われているため、1日に100本くらい抜けてもほとんど影響はなく、むしろ健全なヘアサイクルと言えます。

AGAが進行した毛髪は成長期が極端に(数ヶ月まで)短くなります。十分に成長する前に退行期に突入するため、産毛より先の状態に成長することができなくなり、全体にボリュームダウンが始まり、地肌が見えるようになります。

術後のヘアサイクル

あくまでも目安ですが、自毛植毛手術の術後のヘアサイクルとしては一般的にこのようなグラフの推移で毛髪量が変化します。

□自毛植毛手術後のヘアサイクル(準備中)

これは自毛植毛手術時のインフォームドコンセントでも実際にドクターから話があったのでだいたいこのような経過で進むのが一般的です。

術後1~2週間は移植毛により、従来の状態よりも一時的に髪の毛が増えます。しかし、この髪の毛は一旦抜け落ちるため、2週目から1ヶ月に渡り、髪の毛の量自体は減少傾向に入ります。また、植毛によるショックロスの影響で既存毛も抜け落ちる可能性があり、一時的に従来よりも髪の毛が減る場合があります。

その後抜け落ちた髪は休止期に入るため、一定期間薄毛状態が続き、通常のヘアサイクルに入る2~3ヶ月目辺りから移植毛やショックロスにより抜け落ちた髪が正常のヘアサイクルで生え始め、そこからは増加に至るといった形です。

ショックロスとは?」でも解説していますが、ショックロスにより既存毛が抜け落ちてもまた生えてくるので心配はありません。ショックロスが起こると一時的ではありますが、どうしても最初より薄くなったと不安に感じると思いますがここは我慢しかありません。例えば「増毛剤」などを使ってカバーするのもおすすめです。

なぜ移植毛は一度抜け落ちるのか?

植毛手術は植えた毛髪が元々の性質を持ち続けること(ドナードミナンス)を利用した移植手術ですが、なぜ植えた後に移植毛が一度抜け落ちてしまうのか?また、抜け落ちる毛と抜け落ちない毛があるのに疑問を持つ方は多いですが、その理由は植えた毛髪の毛球部が一度生着し、遺伝子DNAを頭皮に転写するからだと言われています。
参照:愛和クリニックの自毛バンドル植毛術

そのため、植毛後、移植毛は一時的に休止期を経てから発毛が始まります。

そのまま伸びる毛と抜け落ちる毛に差があるのは、毛髪のヘアサイクルが関係しているとも言われています。移植毛の中には前述しているヘアサイクルの過程でいう、成長期真っ只中の毛髪が含まれるため、休止期を必要とせず、そのまま伸びることもあります。しかし、80~90%の毛髪は移植時のダメージにより、一度休止期に入り、活力を蓄えた後で生えてくるのが一般的です。

移植した毛髪は3~4日ほどで生着し、1週間で95%の遺伝子転写が完了すると言われているため、術後一週間抜け落ちなければ今後ほぼ間違いなく生えてきます。また、髪が抜け落ちても生着していれば問題ありません。

植毛を受ける方(患者)の年齢や毛髪の性質、頭皮の状態によって違いはありますが、全体の5~10%ほどはそのまま伸び続け、他は抜け落ちた後、早いもので2.5ヶ月~3ヶ月で生え始め、60~70%の発毛が6ヶ月(半年)ほどで見られ、約1年で90%の発毛が得られると言われています。

いずれの毛髪も発毛直後は細く、徐々に太くなっていくため、最終的には1年前後で生え揃うと見ておくのが無難です。ただし、後頭部や側頭部の毛髪は元々太く丈夫なので前頭部の毛髪と比べると始めから力強い髪の毛が生えてきます。

傷跡などに移植した場合はもう少し時間がかかる傾向があります

まとめ

自毛植毛は育毛剤などと比べ、確実性が高く、即効性も比較的早い薄毛治療法です。

しかし、一時的に「移植毛が抜け落ちる+ショックロスによる脱毛」で手術前よりも頭髪が薄くなる場合があります。

しかし、生着した毛髪はその後必ず生えてきます。この期間・サイクルを理解しておくことで心に余裕を持って発毛まで待つことができるようになるのではないかと思います。上のグラフはあくまでも目安ではありますが参考にしてください。

植毛後の2~3ヶ月はある意味で我慢の時期とも言えます。2ヶ月を超えれば植毛前よりも少しずつではありますが、確実に増えていく経過を辿るので期待して待ちましょう。

私の場合は2ヶ月半頃から発毛が始まりました。
術後11週目:前頭部がチクチク……移植毛が生えてきた?