低出力レーザーは単に育毛効果だけでなく、植毛のショックロス対策や移植毛の発毛にも好影響を与える上、副作用が一切ないという画期的な治療法です。

しかし、日本では馴染みが薄く、実体のない光を扱った治療法のため素直に効果を信じにくい方も多いと思いますが、裏付けとなる論文や文献は多数出ています。私も低出力レーザーについて全てを理解しているわけではありませんがわかりやすく重要なポイントをまとめました。

正直言って低出力レーザーは知れば知るほどに魅力を感じると思います。育毛だけでなく植毛と非常に相性の良い機器である気がしてなりません。

低出力レーザー(LLLT)とは?

通称「LLLT(Low Level Laser Therapy)」と呼ばれる低出力レーザー治療のことです。
名前からもわかる通り使用するのは低温低出力のレーザー(光線)で手術や切断に用いられる高温高出力レーザーと違い、熱の作用ではなく光の作用を活用しているのが特徴です。

光を体内数mm~数cmまで浸透させる技術で育毛をはじめとする様々な医療の現場でその効果が実証されています。

メリット

レーザーは単一波長の光の集まりなので分解されることがなく特定の波長のみを照射できます。また、指向性(直進性)が高く分散しないため、狙ったポイントに狙った出力で集中させることができます。

光なので皮膚を透過して治療部位に直接照射でき、皮膚に刺激はなく、痛み・熱・傷を伴わない副作用・体に害のない安全な治療法です。

デメリット

これはメリットの裏返しでもありますが副作用や刺激がない分、効果を「信じにくい」という点が最も大きいと思います。

照射時に何も感じない光の作用だけに「本当に効果があるのか?」「騙されているのではないか?」とほとんどの方が疑ってしまうと思います。形のない光を用いた療法だけに信じることが難しい治療法でもあります。

ただし、それでも数多くの研究結果がその有効性を実証しています。

育毛・植毛への効果の有効性

以下は、ハーバード大学の可視光線専門医療機関のウェルマンセンターで低出力レーザー治療を行っているマイケルハンブリン教授がISHRS(国際毛髪学会)で低出力レーザーの育毛効果について発表した際の解説になります。

ウェルマンセンターで行われていたマウスによる実験において毛髪の再生や毛根内部の幹細胞が活性化することで成長を休止していた毛髪が成長期へと移行するという内容の発表でした。

AGA型脱毛のDHTが毛根内部で発生すると血液中タンパク質が髪になる為に必要なATPが減少するといわれていますが低出力レーザーの効果によってATPが増加する事もこの時のハンブリン教授の研究発表で世界で初めて紹介されました。

参照:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n237023

その後マサチューセッツ総合病院との共同研究により「低出力レーザーは毛包内の表皮幹細胞の生成を活発化させることで休止期に入ったままの幹細胞を成長期へと移行させ育毛効果が得られる」と結論付けられています。

研究によると生化学分子であるアデノシン3リン酸(ATP)の増加が各細胞の活動を拡大させるためATPはエネルギーの運搬者であり細胞の機能に必需的な要素。レーザー光線のエネルギーは細胞のミトコンドリアに集められ、このエネルギーを変えてATPを生産している(過程は植物成長の光合成に似ている)。

参照:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n181148

このようにATPの増加のメカニズムについても研究が進んでいるようです。

以前より確認された効果で海外で自毛植毛を行った患者のショックロスを抑え、植えた髪の成長も活発化させることは知られておりましたが2012年7月には植毛専門医向けの医学書の中でも低出力レーザーを使用するかどうかでショックロスを抑え、植毛した髪の成長が大きく変わることが発表されました。

参照:http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n237023

海外では植毛手術直後に低出力レーザーを照射する治験が行われ、ショックロスの脱毛を抑えることに成功しており、続けることで移植した毛髪が正常な状態まで生え戻る割合も増加することがわかっているようで現在海外では植毛後に低出力レーザーを利用するのは当然のこととなっているようです。

様々な文献を取り上げましたが注目したいポイント(得られる効果)は黄色のマーカーでハイライトした以下の3点です。

  1. 毛髪を休止期から成長期へと移行させる
  2. 髪になるために必要なATPを増加させる
  3. ショックロスを抑え、移植毛が成長する

育毛・発毛・植毛のショックロス対策に効果があることが見受けられます。

その他にも、

2013年4月「Journal of Dermatological Treatment」皮膚科医向けの学術論文や研究を掲載している同誌で「AGA型脱毛に対しての低出力レーザーの有用性」を発表。

2013年5月「Journal of the American Association of Nurse Practioner」の中でAGA型と認められる患者の診断や医療行為の中でもミノキシジルやプロペシアと共に低出力レーザーを推奨することも紹介されました。

参照:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13121836803

育毛と言えば日本では育毛剤のミノキシジルやプロペシアが有名ですが、低出力レーザーによる育毛効果は各国の保健省やアメリカのFDA(米国食品医薬局)によって同様の治験や臨床を経て、94%の回復率と安全性が確認されている治療法です。

参照した文献はヘアマックス(低出力レーザー器)の正規代理店の方の文献ですが裏付けとなる論文なども多く提示されており信ぴょう性は高いのではないかと思います。

低出力レーザーは薄毛対策としてだけでなく、植毛後のショックロスや育毛にも使えるため自毛植毛との相性が非常に良い機器と言えるでしょう。

低出力レーザーで重要なのは光の波長

低出力レーザーに用いられる光の波長も様々ですが、育毛に効果があると実証されているのは640nm~660nmのレーザーのみでこの波長の光が頭皮の血管拡張や脱毛防止に有効です。

低出力レーザーの選び方」で低出力レーザー器を複数紹介していますが610nm~890nmまで機種により波長も様々です。波長の違いは主に浸透深度の違いで、例えば650nmは皮膚表面から約3mm程度、890nmは約5cmの深さまで光が到達すると言われています。

一見するとより深くまで到達した方が良いようにも感じますが頭皮の5cm奧にあるのは脳です。脳にレーザーが届くこと自体は問題ありませんが適切な深さでないことはわかると思います。

頭皮の厚みは平均6mm程度と言われており、レーザーが作用すべき毛乳頭の底辺が3mm程度と言われています。そのため650nm前後のレーザーが最適になります。

浸透深度の深い890nmのレーザーは実際に海外でも使われている波長ですが治療に用いられるのはヒジやヒザの関節炎など皮膚や筋肉の奥にある骨周辺への作用を目的としています。

低出力レーザーは波長によって役割や効果は異なりますがFDAが2007年に育毛効果を承認したのは650nmのレーザーで890nmのレーザーでもなく650nmのLEDでもありません。

育毛以外の分野でも活用

40年以上に渡ってヨーロッパを中心に100以上の二重盲検法(ダブルブラインドテスト)による効果報告がなされ2500以上もの臨床研究が多くの医学分野でその効果を報告しています。歯科の研究では370の研究がなされ90%が重要な治療法と報告しています。また獣医の分野ではすでに主要な欠かせない治療法になっています。最近ではプロスポーツの分野で広く使われるようになっています。

参照:http://www.konftec.com/Japanese/html/7-QA.htm

実際に英文などで多数の論文が公開されており、「The Lase therapy Handbook」などでは低出力レーザー治療の詳細と1400以上の資料リストが記載されています。

厳密に言えば育毛目的と傷や痛みの治療目的とではレーザーの作用する深度が違うため、異なる波長のレーザーを照射していますが、同じレーザー治療という意味では薄毛対策や育毛分野以外でも有効性が確認されています。

日本ではほとんど導入されていない馴染みの薄い治療法ですが育毛以外にも人体に多大な効果が期待できるものとして世界では幅広く使用されています。

要チェック!同じ赤色光でもレーザーとLEDは違う

低出力レーザーによる育毛やショックロス対策を行う上で知っておくべきこととして同じ赤色の光でもレーザー治療(LLLT)とLED治療(LEDT)は異なる治療法だということです。

同じ赤色の光でも光源が違うと作用は異なります。低出力レーザーは髪の直接的な成長を高め、育毛を促進するもので、LEDは傷や炎症の鎮静化や皮膚の安定化など頭皮の表面的な改善が目的になります。

レーザーとLEDの違いは皮膚に対して効果を発揮する深度が違い、レーザーは皮膚の奥まで浸透し毛根部の毛母細胞や毛乳頭細胞を刺激し、活性化させます。LEDは頭皮の表面までしか届かないため、頭皮の表面的な問題の改善や活性化に限られます。

LEDの光では育毛に効果のあると言われる深度まで光が到達しないため「育毛」を目的とした場合は適切ではありません。

一見すると同じ赤色の光を利用した治療法ですが得られる効果が違います。育毛を目的とした場合、重要なのは光の浸透深度でありレーザー照射が効果的です。

育毛効果が期待できるのは低出力レーザーであり、LEDではないことを理解しておきましょう。

アメリカやヨーロッパの医師は髪と頭皮問題の処理にLLLTとLEDTを使用するのはそれぞれに目的の違いがあるためだと思われます。

低出力レーザー治療を受けるには?

低出力レーザー治療はクリニックなどの医療機関、または家庭用の低出力レーザー器(育毛器)を使用することで自宅で利用することも可能です。

病院・クリニックの場合

現状日本国内で低出力レーザーを取り入れている植毛クリニックを私は知りません。単純に私が知らないだけかもしれないのでご存じの方がいれば是非教えて頂けると幸いです。

低出力レーザーではありませんが、同じ赤色の光を利用したLED治療は「アデランス」と「ウェルネスクリニック」が取り入れています。

アデランスの場合

へアリプロのコースの一環として635nmを中心波長とした赤色LEDによるナローバンド(超狭帯域)LED照射器「へアリプロ LED NB」を体験できます。

ただし「へアリプロ LED NB」を単体で受けるプランはなく、コース料金として一回当たり19,440円~になります。週平均3回行うことを考えるとあまり現実的ではありません。あくまでもトータルケアの一環として活用されています。

ウェルネスクリニックの場合

LED医療機器「発毛LED療法ミニュンベルLT-1」が導入されています。特徴として赤色LEDを含む3種類(赤・緑・青)の光を照射し、育毛だけでなく美顔効果なども得られるようです。

1回30分の照射を週に2~3回行う必要があり、効果を実感できるのは3~4ヶ月目頃からと言われています。初診5,250円、2回目4,460円、3回目からは3,930円で受けることができますが効果が実感できるまでに高額な費用が必要になります。

低出力レーザー器の場合

家庭用の低出力レーザー器の相場としては3~15万円と非常に幅が広く、基本的に高額です。

低出力レーザー器の最大のメリットはクリニックに通う手間がないことと一度購入すればその後ずっと利用できる点です。上述した通り、クリニック・病院での治療は非常に高額であり、かつ行っている病院も少ないため、植毛のショックロス対策をはじめ、育毛対策として利用することを考えた場合、現状では低出力レーザー器の方がメリットが大きいと言えます。

有効性の高い治療法なので今後植毛クリニックなどでも導入が進めば嬉しいですが家庭器の価格や使用頻度を考えると低価格でないとあまりメリットがなさそうなので難いのでしょうか……。

現にアメリカでは病院内に大型のレーザー照射器を設置していますが週3回の通院は容易ではないため家庭用レーザー器と医療用レーザー器の併用で通院回数を減らす取り組みも行っているようです。

低出力レーザー器は「低出力レーザー育毛器の私なりの選び方とおすすめの一台」で選び方・育毛器一覧・おすすめ品を紹介しているので合わせて読んでみてください。海外では低出力レーザーの育毛効果が注目されているため様々な製品が販売されています。

また、管理人の私自身がポチったヘアマックスについてもレビューや育毛・発毛経過を紹介しているので覗いてみてください。

ヘアマックスの感想・使用レビュー

まとめ

低出力レーザーの育毛効果はFDA(米国食品医薬局)や各国の保健省の承認を受け、ISHRS(国際毛髪学会)でもその育毛効果に言及しているにも関わらず日本ではレーザーを使って育毛をするという概念がありません。

実は日本でも1987年に厚生省が製造許可を認可し、1996年より健康保険の適用も認可されているようですが普及が遅れているというのが実態のようです。

私もショックロスについて調べているときに偶然知っただけですが知っていれば術後直後から取り入れたかったのが本音です。

光という実態のない治療法だけに疑り深い日本人向けの治療法ではないのかもしれませんが、自毛植毛手術を受ける方は導入を検討してみる価値は非常に高いと思います。

ちょっと詰め込み過ぎて長くなりすぎたので読むのが面倒かもしれませんが読んで頂けるとその有効性がわかるはずです。

薄毛対策、育毛目的はもちろん、特に植毛を検討している方は植毛と一緒に取り入れてみることをおすすめします。